野球肘
2018/04/13
前回に続き野球ネタです。 この前興味深い記事を見ました。多くのメジャーリーガーを輩出している野球大国、ドミニカ共和国の学童球児(小~高校生)の野球肘(内側型)の発症率が、たったの15%前後という調査結果が発表されました。
それに対し日本は30~50%の確率で発症しており、この数値は世界的にも突出していると言われています。
この差は一体何なのかと言うと、それはズバリ指導者の指導法の違いと甲子園の存在。
ドミニカでは野球技術の向上はもちろん、いかに怪我をさせないかに重きを置いて指導しているのに対し、日本は完全に勝利至上主義、目の前の試合に勝利する事に重きを置いている指導者が比較的に多いです。
そして甲子園という存在。 甲子園を目指し小学生から地域の強豪リトルリーグに入団し、盆と正月以外はほぼ毎日練習、怪我をしてもレギュラー争いから外れるのを怖れ、怪我を隠しての練習という悪循環。 まだ骨も筋肉も未発達の時期に体を酷使すれば、肘だけでなく、機能障害が起こるのは当然の事。
良いのか悪いのか、選抜高校野球大会は日本の伝統文化と言っても差支えないぐらいの行事となっており、高校スポーツの全国大会でここまで盛り上がり、注目されるのは世界的に見てもとても珍しい事だと言われています。
野球肘だけでなく、学童の運動機能障害の発症率の高い日本。 指導者は、このデータ結果を恥ととらえて、適度な休みの導入や、体のケアの重要性(最近は怪我をしたら強制的に練習参加させず、治療に専念させるクラブが増えたように思います。)を再認識して頂きたい。
かく言う私も「巨人の星」や「アタック№1」を見て、勝利至上主義にどっぷり浸かった世代。
しかしプロならまだしも、学童野球は勝利だけが全てではありません。 正直、指導法、育成に関しては世界的にみても遅れを取っていると言わざるを得ません。
くしくも今、大谷翔平選手という日本の至宝がメジャーリーグで活躍しています。 個人の運動能力だけでなく、今後、指導法や環境面により第二、第三の大谷翔平が誕生する事に期待したいと思います。
ひなみ鍼灸整骨院 院長 たかくら
癒し処ひなみ ☎ 06-6335-0173